林覚寺の小路

直江津は砂山の上にできた町だといわれている。その昔、砂山区という住所もあったそうな。
林覚寺の小路は、浜写真館の通りを海に向かうと、ふいに左側に現れる。
その小さな石段を上るとご褒美のように林覚寺の掲示板がありがたいことばをくれるのだ。
そして見渡せば、そこは二段坂の坂上。
砂山のてっぺんだったんだね!と右に下りれば日本海の砂浜が見える…。

高田公園の観桜会が終わる頃が五智の八重桜の開花の季節。

ポンポンと八重の花が咲き誇ると、185年間五智国分寺の山門で睨みを効かせている仁王像も、華やかな表情に見えてくる。

やがて満開の八重桜に彩られて、祭りの神輿が練り歩き、五智の里も春のはじまりはじまり…

初冬の青空に、改修された八坂神社の屋根が緑青色に輝く。

2020年は直江津人の心晴れの四日間、祇園祭も中止になり、たとえば参道の居酒屋などに寄ってのほろ酔いのお参りも少なくなってしまった。

わっしょいよいやさの消えた町はモノクロの世界。。だけどどっこい空を見上げてがんばろうぞ!

参道で振り向けば八坂神社は大らかにほほえんでいるかのようだ。

ライオン像の建物

子どもの頃、ライオン像が怖かった。前を通るときはなるべく見ないように。。
米山の向こうから大八車で運ばれてきたライオン像は、苦難を越えてきたようで、しょっぱい匂いの浜風の叫びが子供心に怖さをあおった。

けれども大人になって眺めると、穏やかな獅子なのだ。
優しい石の瞳は、今までも、これからも、この町の人々を見守っていくだろう。

直江津駅

青い三角屋根の直江津駅は昭和から平成にかけての60年間、
人々の思い出の出入り口だった。

青空に意気揚々と旅立ち、鉛色の雪空にひとり寂しく帰ってきた人もいただろう。

そんな時も青空色の三角屋根が、おかえりと迎えてくれた。

うっすら雪に車の轍が重なる駅の行き交いは、たび人もほっと安らぐふるさとの景色。

絵・文:ひぐち キミヨ

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